第31回衛星設計コンテスト 概要

第31回衛星設計コンテスト

応募:
60作品(設計の部:6作品、アイデアの部:18作品、ジュニアの部:36作品)
募集チラシ 募集ポスター
一次審査通過:
16作品(設計の部:2作品、アイデアの部6作品、ジュニアの部8作品)
最終審査会:
2023年11月25日(土) ハイブリッド開催
プログラム
Youtubeアーカイブ:
衛星設計コンテストチャンネル:
https://www.youtube.com/watch?v=1Ie1Cn_exIs
特別講演:
「ソーラー電力セイルが切り拓く太陽系大航海時代~衛星設計コンテストがくれたきっかけ~」
宇宙科学研究所 学際科学研究系 森 治 教授
森 治 教授 【講演者プロフィール】
衛星設計コンテストOBで深宇宙探査に取り組んでいる。
「IKAROS」ではプロジェクトマネージャとして、世界初のソーラー電力セイルの実証に、「はやぶさ」「はやぶさ2」では化学推進系とりまとめとして、イトカワおよびリュウグウからのサンプルリターンに貢献した。
現在、ソーラー電力セイルのコンセプトを発展させたブーム型多機能膜、薄膜太陽電池パドルを開発中であり、これをOPENS0に適用することで土星フライバイ、次世代小天体サンプルリターンに適用することで彗星サンプルリターンを目指している。
さらに、これらの後継ミッションとして、小型ソーラー電力セイル探査機による外惑星領域小天体の着陸・サンプルリターンを検討中。など多数受賞。

第31回衛星設計コンテスト実行委員会会長挨拶

衛星設計コンテスト実行委員会会長 井上 一

衛星設計コンテスト最終審査会にあたり、実行委員会会長として一言ご挨拶を申し上げます。
この衛星設計コンテストは、高校・高専・大学・大学院の若い人たちに、宇宙空間を使う新しいアイデアを考え、そのアイデアを実現する手段を考え、さらには、実際に衛星を設計してもらうものです。宇宙空間の利用は、すでに私たちの生活にとって欠かせないものになっていますが、私たち人類が直面しつつある将来へのいくつもの課題を考える時、宇宙空間の利用は今後ますます重要になっていくものと考えられます。この衛星設計コンテストを通じて、若い皆さんが、宇宙開発の将来、ひいては、人類の未来を切り拓く人材として育って下さることを切に願うものです。日本の宇宙開発の最前線で活躍してきた研究者をはじめとする多くの方々に支えられ、そして、多くの若い人たちの応募を得て、本年、衛星設計コンテストは第31回目を迎えることとなりました。

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今回も、設計の部6件、アイデアの部18件、ジュニアの部36件の多くの応募がありました。宇宙開発・宇宙利用に関連する学会・機関・企業等から派遣されたプロの研究者・技術者が、応募資料を精査し、質問やアドバイスのやりとりを繰り返した結果、本日の最終審査には、設計の部2件、アイデアの部6件、ジュニアの部8件が選ばれました。設計の部、アイデアの部は3倍、ジュニアの部は4.5倍の倍率となりましたが、本日最終審査会に臨まれる皆さんは、この難関を乗り越えられてこられました。誠におめでとうございます。 この最終審査会では、それぞれの構想の概要について発表していただきます。その中では、これまでの審査で疑問を持たれたり指摘されたりした事項に対する対処結果も示していただきます。発表の内容も大事ですが、発表の仕方・態度も大事です。これまで積み上げてきた作業の集大成として、よく練られた、心のこもった発表を期待いたします。 この衛星設計コンテストに挑戦して下さった皆さんは、このコンテストを通じて、はじめにアイデアを思いつく段階から、構想としてまとめていく段階を経て、発表して審査を受ける段階まで一連のプロセスを経験され、多くのことを学び取ってこられたと思います。皆さんが、それらのことを生かし、人類・地球・宇宙の未来を切り拓いていってくださることを心から期待して、開会の挨拶といたします。

  • 最終審査会 設計の部 集合写真

    最終審査会 設計の部 集合写真

  • 最終審査会 アイデアの部 集合写真

    最終審査会 アイデアの部 集合写真

  • 最終審査会 ジュニアの部 集合写真

    最終審査会 ジュニアの部 集合写真

  • 発表の様子1

    発表の様子1

  • 発表の様子2

    発表の様子2

  • 審査の様子

    審査の様子

  • 展示/ポスター発表の様子

    展示/ポスター発表の様子

  • 特別講演の様子

    特別講演の様子

  • 懇親会の様子1

    懇親会の様子1

  • 懇親会の様子2

    懇親会の様子2

第31回衛星設計コンテスト 受賞作品

文部科学大臣賞

該当作品なし

設計大賞

該当作品なし

アイデア大賞

衛星捕獲・輸送システム「OCTAS」

衛星捕獲・輸送システム「OCTAS」 アイデアの部
渋谷教育学園 渋谷高等学校
メンバー:
佐藤 裕成 アレックス
解析書
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渋谷教育学園 渋谷高等学校

概要:
大型軌道上プラットフォームを拠点とした持続的な衛星サービス提供に向け、プラットフォームから放出された小型輸送機が推進剤に過度に依存せずに協力的衛星を捕獲・輸送するシステムを提案する。システムの実現には、テザーとクライマーと磁石を用いた革新的ランデブードッキング技術を使用する。具体的なミッションとして、運用終了の低軌道衛星を捕獲し、プラットフォームに輸送して メンテナンスと部品交換のサービスを提供し、新たなミッションを与えてリロケーションする。

ジュニア大賞

広島県立西条農業高等学校

イシクラゲを活用した食物生産 ジュニアの部
広島県立西条農業高等学校
メンバー:
森重 結衣、頼信 瑠唯、山崎 優奈、金本 侑梨
解析書 ポスター
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広島県立西条農業高等学校

概要:
本ミッションは、月や火星等での長期滞在における食物生産においてイシクラゲの活用を検討するものである。具体的には、窒素固定能を有し、タンパク質を多く含むイシクラゲを緑肥のようにして窒素肥料源として活用することや昆虫をはじめとする家畜動物の飼料としての利用を検討する。また、イシクラゲの含有する抗酸化作用を持つ物質をヒトが摂取することにより健康増進を促進する。

日本機械学会 宇宙工学部門一般表彰 スペースフロンティア

薄膜挙動計測衛星「Film Sat」

薄膜挙動計測衛星「Film Sat」 設計の部
大阪公立大学
メンバー:
佐藤 大斗、中島 翼、桂田 吏輝、阿片 雅玖人、小田 五葉、宮路 健誠、逢坂 惇志、松村 昂弥、西尾 圭太、山田 剛志
解析書
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大阪公立大学

概要:
本衛星は軌道上での膜構造物の振動・形状特性を調べることを目的として設計されたCubeSatである。本衛星におけるミッション目的としては「格子投影法」を用いた膜の計測を宇宙の軌道上で行うことで、この測定法が軌道上でも利用できることを実証することがあげられる。
軌道上での膜構造物の形状と振動の特性を調べ、その分析を可能にすることで,それらを改善する設計やシステムに寄与する。

日本航空宇宙学会賞

薄膜挙動計測衛星「Film Sat」

薄膜挙動計測衛星「Film Sat」 設計の部
大阪公立大学
メンバー:
佐藤 大斗、中島 翼、桂田 吏輝、阿片 雅玖人、小田 五葉、宮路 健誠、逢坂 惇志、松村 昂弥、西尾 圭太、山田 剛志
解析書
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大阪公立大学

概要:
本衛星は軌道上での膜構造物の振動・形状特性を調べることを目的として設計されたCubeSatである。本衛星におけるミッション目的としては「格子投影法」を用いた膜の計測を宇宙の軌道上で行うことで、この測定法が軌道上でも利用できることを実証することがあげられる。
軌道上での膜構造物の形状と振動の特性を調べ、その分析を可能にすることで,それらを改善する設計やシステムに寄与する。

電子情報通信学会賞

山岳遭難者救助支援衛星「HATOSAT」

山岳遭難者救助支援衛星「HATOSAT」 設計の部
東京電機大学
メンバー:
佐藤 圭、遠藤 健太、堀口 拓海、松本 優樹、佐藤 英思、瀬尾 龍大、高橋 達矢
解析書
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概要:
HATOSAT(3U サイズの CubeSat)は、地上の通信インフラを使用することが困難となる山岳地帯において、登山者の生体情報データを S&F(Store and Forward)技術によって収集し、山岳遭難者の早期発見及び早期救助を目的とする。また、アップリンク回線に免許不要の LoRa 通信を用いることで,広く登山者に普及させることが可能となる。

地球電磁気・地球惑星圏学会賞

3次元可動型永久磁石姿勢制御衛星GIMIC

3次元可動型永久磁石姿勢制御衛星GIMIC アイデアの部
高知工業高等専門学校
メンバー:
西岡 美文、中川 陽菜、澤本 蒼太、福原 颯馬、溝渕 遥人
解析書
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高知工業高等専門学校

概要:
超小型衛星に使える、新しい姿勢制御方式を提案する。この方式は、強力な磁場を持つ小型ネオジウム永久磁石を、ジンバル構造により衛星の構体の中で3 次元的に動かし、地球磁場との相互作用で得られるトルクにより衛星の姿勢制御を行うものである。この永久磁石の方向を一度設定すると、衛星の構体の任意の方向を地球の磁力線に沿わせることが可能となり、その後の姿勢維持は無電力で行うことができるという大きなメリットがある。

日本天文学会賞

エンケラドス氷床突破装置「bagger」

エンケラドス氷床突破装置「bagger」 アイデアの部
金沢工業大学
メンバー:
福澤 慧、高橋 虎太郎、池岡 美佳、豊岡 恵梨香、橋口 楓子
解析書
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概要:
近年、土星の衛星エンケラドスから噴出するプルームから液体の水と有機物の存在が確認されたことにより、一層エンケラドスに生命が存在する可能性が高まっている。しかしエンケラドスの表面は分厚い氷に覆われ、水中に探査機を投下させることが困難である。本稿はエンケラドスの水中を探査するために電熱により氷に穴を開け、探査機を水中に投入する経路を確保するための装置を提案する。

宇宙科学振興会賞

月探査ミッション 「LCSE」

月探査ミッション 「LCSE」 アイデアの部
慶應義塾大学
メンバー:
松田 聖梢、青野 誠大
解析書
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慶應義塾大学

概要:
近年、嫦娥5号が月からのサンプルリターンに成功するなど月探査の機運が高まってきている。その中私たちは、月面クレーター内部を探査することで隕石の採集などから重要なデータを得られると考えた。しかし、地形によるリスクが高いことなどからこれまで探査は行われていない。そこで私たちは滑落などのリスクを抑え、様々な場面に対応可能なローバーとして、アルキメデスのスクリューを用いた機体を考案した。これを用いて地質調査とサンプルリターンを行う。

日本宇宙フォーラム賞

自分の髪を肥料にして宇宙で野菜を育てよう

自分の髪を肥料にして宇宙で野菜を育てよう ジュニアの部
広島県立西条農業高等学校
メンバー:
三宅 杏、荒木 琉偉、岡本 湊稀、平井 貴士、髙橋 凛花
解析書 ポスター
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概要:
ニュース等で宇宙飛行士が散髪している様子を見ることがある。宇宙にある有機化合物は貴重であるため、髪もリサイクルするべきだと考えた。そこで、髪を細菌に分解させ、生じた分解産物で野菜を育てることを考えた。野菜の栽培は工場で行うのではなく、小型の装置で行う。自分の髪を養分として育つ野菜を愛でることでストレスの緩和になり、食物が命であることを再確認できるだろう。

日本ロケット協会宙女賞

藍染衛星「Kokihanada(深縹)」

藍染衛星「Kokihanada(深縹)」 アイデアの部
徳島大学
メンバー:
井上 沙羅、髙橋 七那子、濵田 涼花
解析書
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概要:
軌道上の宇宙空間において徳島の伝統文化である藍染を再現することをミッションとする。藍染とはタデ藍を用いた染色方法であり、いくつかの工程に沿って作られる。その工程を宇宙空間にて行うにはどうすればよいか検討し、軌道上にて自動で藍染を行う衛星を提案する。宇宙ならではの無重力、高真空を利用すると高精密で階調豊かな藍染2.0ともいえる新しい染色ができる可能性がある。

ジュニア実験賞

フルーツペーパーで宇宙食に彩りを!!

フルーツペーパーで宇宙食に彩りを!! ジュニアの部
札幌新陽高等学校
メンバー:
五月女 なつみ、瀬戸 結太、米陀 朝聖、水間 莉子、佐々木 梨生楠、齋藤 陸
解析書 ポスター
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概要:
多国籍の人々が集まる閉鎖空間による宇宙飛行士のストレスは、今後益々期待されている宇宙の発展において、とても大きな弊害だと私達グループは考えた[5]。食事は心の安定に深く関わるため、楽しみを増やし、他の宇宙飛行士との会話を円滑にするために彩りを加えることで、宇宙飛行士のストレスを軽減できると考えた。そこで私達は普段の食事にプラスさせるという新しいスタイルの宇宙食としてアレンジ自在なフルーツペーパーを提案する。

ジュニア実験賞

ソーラーセイルによる静止軌道輸送システム

ソーラーセイルによる静止軌道輸送システム ジュニアの部
長崎県立長崎西高等学校
メンバー:
岩崎 陽、重野 修太朗、甲斐田 颯哉、宮崎 陽也、藤田 晃成、麻生 賢太郎
解析書 ポスター
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概要:
CubeSat ubeSatによる地震予報を静止軌道上で行うため、国際宇宙ステーションから低高度軌道に投入された後に、静止軌道へ自力で到達できる2U サイズの輸送衛星を提案する。高度700km までは大気抵抗が無視できないため電気推進エンジンで、その後は「両面」ソーラーセイルを展開して効率よく加速し、2.44 年で静止軌道を目指す。展開前はセイルを1Uサイズに格納できるよう独自の折り方を考えた。

審査委員長特別賞

衛星捕獲・輸送システム「OCTAS」

衛星捕獲・輸送システム「OCTAS」 アイデアの部
渋谷教育学園 渋谷高等学校
メンバー:
佐藤 裕成 アレックス
解析書
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概要:
大型軌道上プラットフォームを拠点とした持続的な衛星サービス提供に向け、プラットフォームから放出された小型輸送機が推進剤に過度に依存せずに協力的衛星を捕獲・輸送するシステムを提案する。システムの実現には、テザーとクライマーと磁石を用いた革新的ランデブードッキング技術を使用する。具体的なミッションとして、運用終了の低軌道衛星を捕獲し、プラットフォームに輸送して メンテナンスと部品交換のサービスを提供し、新たなミッションを与えてリロケーションする。

審査委員長特別賞

閉鎖空間における物質の循環3.0

閉鎖空間における物質の循環3.0 ジュニアの部
青森県立三沢高等学校
メンバー:
大坂 唯歩稀、平野 友麻、津島 めい
解析書 ポスター
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概要:
本ミッションの目的は、宇宙船や火星、月などに設置された基地といった閉鎖空間において、生物を用いることで人が排出したし尿に大量に含まれている尿素からタンパク質を合成し、栄養分として再利用することである。これによって食料として利用可能な資源のロスが減り、宇宙での長期滞在が可能になり、長い時間を必要とする有人の様々な宇宙ミッションが可能になる。それを実現するための小さな一歩として本アイデアを提案する。

奨励賞

HIT THE MOON

HIT THE MOON アイデアの部
広島工業大学
メンバー:
岸上 恵大、南 和輝、藤井 恵太、町 星河、渡邉 貴人
解析書
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概要:
私たちが提案するミッションは、月に宇宙機を衝突させ、クレーターを生成し、追走する探査機が衝突時に飛散する月内部の物質を調査することを目的とする。衝突場所は月南極エイトケン盆地であり、盆地の氷の存在や月内部の物質を検出、解明し、月へのさらなる理解が目標である。本ミッションでは、太陽の重力を利用することや衝突直前に加速すること、先端形状を円錐型にすることで、より深いクレーターを生成する点に特色がある。

ジュニア部門奨励賞

ISS内における生活環境の改善

ISS内における生活環境の改善 ジュニアの部
山口県立山口高等学校
メンバー:
井内 賢、土島 輝
解析書 ポスター
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概要:
ISSでの滞在中、宇宙飛行士には様々なストレスがかかる。そのストレス解消の一助となるのが食事である。ここではISS内における宇宙飛行士の生活を改善するため、食の視点から研究をした。研究対象として栄養価が高く味も良い蚕を選んだ。微小重力環境での蚕の飼育や、繭からとれる生糸の利用について考えた。

ジュニア部門奨励賞

歯磨き安全化計画

歯磨き安全化計画 ジュニアの部
四天王寺高等学校
メンバー:
市川 まどか、竹川 聖華、當宮 幸希、大塚 彩乃、鎌田 華穂、島岡 亜莉花、門田 紗奈江、山下 璃乃
解析書 ポスター
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概要:
歯磨き安全化計画は、宇宙での歯磨きに焦点を絞り、宇宙生活を安全で快適にすることを目的としたアイデアです。宇宙での歯磨きは、使用した歯磨きジェルと水を飲みこむか、タオルに吐き出すかという方法がとられていますが、私たちはそれに代わる専用の歯磨き安全化アイテムを考えました。宇宙生活に工夫を加えることで、宇宙での暮らしをより魅力的にすることができます。

ジュニア部門奨励賞

ギャラクシーSOMEN

ギャラクシーSOMEN ジュニアの部
鳥羽商船高等専門学校
メンバー:
田端 美柚、中村 なのは、辻 章人
解析書 ポスター
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概要:
私たちは日ごろ、食事を通して、生命活動に必要なエネルギーだけでなく、家族とのコミュニケーション、ストレスや疲労の軽減などのさまざまな効果を得ている。宇宙空間においてもその効果を得る例の一つとして、より娯楽性が高く、またクルーが一緒に楽しめるものとして「流しそうめん」を提案したい。家庭的な流しそうめんの機械をもとに水がこぼれないよう工夫した流しそうめん機を考案した。

最優秀模型賞

3次元可動型永久磁石姿勢制御衛星GIMIC

3次元可動型永久磁石姿勢制御衛星GIMIC アイデアの部
高知工業高等専門学校
メンバー:
西岡 美文、中川 陽菜、澤本 蒼太、福原 颯馬、溝渕 遥人